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六助の大帰省@ 投稿者:六助 投稿日:1998年01月06日 23時20分
すべての道が僕の周りから消えて行くのではないか。
僕はそんな不安を感じながらも東京というはりぼての街をさまよい歩いていた。ふらふらと歩いていく人々の洪水の中で、ふと自分の時間を作って行きたい。それがただの慰めだとしても、僕はそれを実行する必要があると感じていた。朝、目覚めの悪さはいつもの通りだった。ただ、妙にやさしく僕を包む窓から差し込む日差しが時間という魔物を追い払っているようだ。そのためか僕は予定の電車を1本乗り過ごす結果となった。しかし、前日に行った神田明神様のおかげか、群馬県の高崎から軽井沢へ向かう電車でスケジュールは軌道修正をした。高崎までは約3時間。乗客には帰省という事を忘れるくらい身軽な人ばかりであった。それは長野新幹線が開通したのが大きい。でも、そこには普段着の人々と触れる僕にとっては好都合の環境が揃っていた。そして僕はあえて廃線になった信越本線のルートをめぐることにした。(つづく)