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僕が書いた絵<電車の中で僕は異邦人になった> 投稿者:六助 投稿日:1998年01月29日 01時21分
外は寒かった。デパート屋上の電子掲示板に時刻が告げられたあとに今日の温度が掲示された。
1℃寒いはずだ。僕は駆け足で駅の中へ向かった。人の流れに素直に流れて。
その電車は始発駅で、僕がホームに駆け上がった時は、すでに電車の中は人が安売りのみかんのように
人の隙間を埋めるように人が乗り込んでいった。
できる事なら乗り込んでさっさと家に帰りたかったが、
その電車に乗り込む位なら、寒空の下で待ったほうがましな気がする。
でも、結局その電車を遅らしたとしても、結局僕は満員電車から逃れる事はできなかった。
僕はガムをかんでいた。くちゃくちゃと音を立てて僕はその場との空間を断ち切ろうとしていた。
ドアのガラスから見える客たちはまるで、僕とは違う世界の気がした。
でも少し視線をずらせば僕はその中にいることを嫌でも実感しなければならなかった。
乗り換え駅を過ぎて、僕は逆に戻っていく。
姫路駅から新快速に乗って加古川駅で降りて、御着に降りるって言ったらわかる
だろうか。意味がないと分かってても、何かが僕をそうさせていた。
でもきっと深い意味などないはずだ。僕は逆戻りしていく電車の中で違和感を感じていた。
何処かの世界の異邦人。それが僕を救う一つのことばかもしれない。