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六助の大帰省−第2部A 投稿者:六助 投稿日:1998年02月17日 00時01分
すがすがしい朝というのを迎えたのはひさしぶりのような気がする。
腕時計をつけるついでに時刻を確かめると午前7時を指していた。
普段なら寝ている時間だ。顔を洗いに表にでると、寺の住職さんがいた。
夜に少し挨拶しただけだった。顔を洗って挨拶をした。彼は玄関先でおばさんと話し込んでいた。
「おはようさん。昨日はよくねむれましたか」と軽快な富山弁と笑顔でけてくる。
「はい。」僕も素直な笑顔で返した。忘れかけてた笑顔がふと蘇ってきた。
そんな気がした。話をしていたおばさんは新聞の配達の人らしく、集金中のようである。
住職がお金を取りに行く間に僕は自然とそのおばさんと会話をしていた。
おばさんが言うには本格的な寒さになるのは年を明けてからだそうだ。
しかし、昨日のように陽が照るのは異常ねぇと言っていた。
おばさんの会話の中にもなにか今に対してやりきれないものがあると感じたのは
おもいすごしだろうか。
バスが出るまであと15分。僕は荷物をまとめてお世話になったYHを出ていった。
ジャージの青年はまだ眠っているようだ。
住職と奥さんに見送られ僕はYHを出た。帰り際に住職は、
「これからは個性が大切な時代になるが、忘れてはいけないものがある。
あなたは大丈夫でしょう。気をつけてお帰りなさい。」
照れくさく笑い深深とお辞儀をして、YHの門をでると僕は近くのバス停まで駆けていった。
そんな気分だった。
バスは定刻から3分程遅れて到着した、その頃にはもうそんなことはどうでもいいと思っていた。
始発のバスはもう年末ということもあり閑散としていた。
バスはゆっくりと遠回りをして泊駅についた。
時刻は8時23分。僕は信じられない気持ちで、バスを降りてホーム到着しようと
する富山行の電車に向かってかけていった。
電車に乗ったと同時にドアは閉った。「奇跡だ!」僕はつぶやいた。
ドアの窓から見える遠ざかっていく泊の町に僕は心で深深と改めておじぎをした。
(^^;)つづくんですかぁ?。。。。。はい(^^;)