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ラナウエイ 投稿者:レッサーP! 投稿日:1998年02月18日 21時37分
そうアレは、12月の終わり頃。
大晦日も近い日で寒さが身にしみた日の出来事。
僕は、出張で若狭へ来ていた。そう、夏は賑やかな若狭湾のある町に。
さすがに冬は、静かで寂しげに感じる所である。幾つもの民宿が立ち並び、その近くに広い浜辺がある。
こんな真冬に若狭で泳ごうと言う酔狂な者は、サーファーだけである。
僕もそんな夏にしか泊まらない民宿に宿をとっていた。
いつもどうりに仕事を終え、やっと神戸へ帰ることが出来ると息巻いて僕は、仕事現場からタクシーに
飛び乗った。僕が泊まっている民宿から、仕事現場まで車で50分はかかってしまう。一旦、宿へ戻り
荷物を取りに行かなければならない。今、夕方の5時。このまま行けばじゅうぶん最終の大阪行きの特
急電車雷鳥に間に合うはずであった。
しか〜〜し、そんな僕の予想は、早くも崩れさったのである。
「フッ・・・・こんな時に・・・・渋滞とは、・・・。」
そう、民宿へ向かう道で渋滞していたのだ。
それも10分に一度500m動けば良い方で、まったく前に進まなかった。
それでも何とか民宿へたどり着いた時には、もう、7時をまわっていた。
「はふぅ〜〜。ヤバイ!!!」
僕は、民宿に着くなり自分の荷物をかき集めて宿を急いで飛び出した。
近くの駅へ走ったのである。
若狭の町から直接特急に乗る事は、出来ない。まず小浜線で敦賀駅まで行きそこから特急雷鳥に乗り換
えるのだ。その小浜線というのは、とてもナイスな路線である。小浜線は、単線であり、快速なんて便
利なものはない。どんこうしかないのは、この辺では当たり前で一時間に一本電車が来ればラッキーで
あるのだ。それに無人駅で電車が来てもドアが開かない。そう、手動なのである。
そんな、小浜線の電車に揺られる事2時間。やっとこさ、敦賀の駅に着いたのである。
時計を見れば、もう9時15分をさしていた。最終の特急雷鳥9時40分発に間に合ったのだ。
「フッ・・・・小浜線で2時間・・・・・無駄な時間だ・・。」
そこで僕は、重大な事に気がついた。
さっきから、腹の虫が鳴きっぱなしで止まらない。
あまりにも急いでいて飯を食べる事を忘れていたのだ。
「そうだ!特急の中で弁当を買おう!」
この時僕は、来るはずであろう車内販売に命をかける事にした。
時間は、9時40分。そして、特急雷鳥がやって来た。
つづく