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ルナティック・ダウンB 投稿者:P 投稿日:1999年08月29日 21時30分
とある町中にあるビジネス街。
そんな一つのオフィスで電話の音が鳴り響いた。
その電話の音をはじめに一斉に他の電話機から呼び出し音が鳴りだした。
「はい!こちら、週刊ターズデイ編集部!」
一人の社員がそう大きな声で電話の応対に答えた。
ここは、ゴシップ情報を扱うスクープ雑誌の編集部である。
ここ最近起きてる吸血鬼殺人事件の特集を組んでいて売り上げを伸ばしていた。
吸血鬼殺人事件のその怪奇さが読者の興味をとらえたのだろう。
この事件の怪奇な点としてあげられるのは、以下のとおりである。
その1:犯行は、決まって満月の夜に行われること。
その2:残された死体の首筋には、2つの牙を突き刺したような傷があること。
その3:死体の血が全て抜き取られていること。
そんな怪奇な犯行にマスコミがそごって取り上げて誰でも知ってるような有名な事件になっていた。
この編集部で吸血鬼殺人事件を担当してる火野明は、怪奇事件に少し不可解な疑問を感じていた。
「取材行って来ます!」
火野は、そう言って角の方にある席から立ち上がった。
「火野!ちょっと、こっち来なさい!」
っと立ち上がった火野を呼び止める声がした。
火野を呼び止めたのは、女編集長である長谷川祐子だった。
彼女は、独身で30歳と言う若さで編集長に上り詰めた頭の切れる才女だった。
火野が編集長である長谷川祐子の前までくると彼女の方から口を開いた。
「火野、最近取材の時間取りすぎじゃない?」
「・・・・・」
「何も駄目だとは、言ってないのよ。あなたの書く記事は、人気があるわ。今、担当してる吸血鬼殺人
事件・・・深入りしすぎじゃない?私たちは、警察ではないのよ!」
「わかってますよ!」
火野は、編集長のせっきょうが迷惑だと言わんばかりに背を向けてそそくさとオフィスを出て行こうと
する。
「こら!火野!定時後、私に付き合いなさい!言いたい事いっぱいあるからなぁ!」
女編集長は、そう叫ぶと火野は、ひらひらと手を振った。